就業促進定着手当がもらえない場合に知っておくべき全知識|受給失敗を回避する方法

「再就職したのに、就業促進定着手当がもらえなかった…」そんな経験をした方や、これから申請を考えている方に向けて、この記事ではもらえない原因と具体的な対処法を初心者にもわかりやすく解説します。

就業促進定着手当は、再就職後に前職より給与が下がってしまった方を経済的に支える雇用保険の制度です。

数十万円単位の支給を受けられるケースもあるため、受け取り損ねると大きな損失になりかねません。

しかし、受給条件は意外と細かく、知らないうちに「もらえないパターン」に当てはまってしまう方が後を絶ちません。

この記事を最後まで読めば、不支給の典型パターンから対処法、代替制度、事前準備のコツ、よくある疑問まですべてカバーできます。

ぜひ最後までお付き合いください。

\ 給付金のもらい忘れ、ありませんか? /

退職後に受け取れる可能性がある給付金を、プロが無料で診断してくれるサービスがあります。

就業促進定着手当以外にも活用できる制度がないか、まとめてチェックしたい方はぜひご確認ください。

👉 給付金の無料診断はこちら

就業促進定着手当がもらえない場合に該当する6つの典型パターン

就業促進定着手当を受け取るには、厚生労働省が定めた3つの受給条件をすべて満たす必要があります。

その3つの条件とは、以下のとおりです。

  • 再就職手当の支給を受けていること
  • 再就職の日から同じ事業主に6ヶ月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること
  • 再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回っていること

引用元:厚生労働省「再就職後の賃金が、離職前の賃金より低い場合には『就業促進定着手当』が受けられます」

条件を見ると一見シンプルに思えますが、実際には細かい落とし穴がいくつもあります。

ここからは、不支給になりやすい6つの典型パターンをひとつずつ見ていきましょう。

パターン①|そもそも再就職手当を受け取っていないケース

就業促進定着手当は、再就職手当を受給した方だけが対象になる「上乗せ給付」という位置づけの制度です。

そのため、再就職手当を受け取っていない方は、どれだけ他の条件を満たしていても申請すらできません。

再就職手当をもらえていないケースとしては、たとえば以下のようなものがあります。

  • 失業保険(基本手当)の受給手続きをしないまま再就職してしまった
  • 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満だった
  • 待期期間7日間が完了する前に就職してしまった
  • ハローワークに再就職の報告をしなかった
  • 1年以上の安定した雇用が見込めないと判断された

特に多いのが、「失業保険の手続き自体をしなかった」というパターンです。

離職後すぐに次の仕事が決まった場合でも、ハローワークで受給資格の確認を受けておけば再就職手当を申請できた可能性があります。

再就職手当は就業促進定着手当の前提条件なので、退職時にはまず雇用保険の手続きを忘れないようにしましょう。

パターン②|6ヶ月間の勤務実績がクリアできていないケース

就業促進定着手当は「再就職先への定着」を目的とした制度です。

そのため、再就職の日から同じ事業主のもとで6ヶ月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていなければ支給されません。

6ヶ月に達しない主な原因としては、次のようなものが挙げられます。

  • 体調不良や人間関係のトラブルで6ヶ月以内に退職してしまった
  • 会社都合の解雇やリストラに遭った
  • 出向によって元の事業主との雇用保険上の被保険者資格を失った
  • 派遣社員で派遣先が変わった際に、空白期間が生じて被保険者資格が途切れた

下表はよくある状況と支給可否についてまとめたものです。

よくある状況支給の可否
自己都合で5ヶ月目に退職✕(6ヶ月未満のため不支給)
会社都合で4ヶ月目に解雇✕(理由を問わず6ヶ月未満は不支給)
6ヶ月経過後に自己都合退職〇(申請時に離職していても支給の可能性あり)
派遣先が変わったが派遣元の雇用保険は継続〇(被保険者資格が継続していれば対象)

特に注意したいのは、退職理由が自己都合か会社都合かは関係ないという点です。

どんな理由であっても、6ヶ月に達していなければ支給されません。

一方で、6ヶ月以上勤務した後に退職していたとしても、申請時点で離職していれば支給される可能性はあります。

パターン③|賃金が下がったと認められないケース

就業促進定着手当は、再就職後の賃金が離職前よりも「下がった」場合に差額を補填する制度です。

したがって、賃金が下がっていないと判断されれば当然支給されません。

ここで初心者の方がつまずきやすいのが、「月給ではなく賃金日額で比較する」という点です。

賃金日額とは、6ヶ月間の賃金の合計を一定の計算式で1日あたりに換算した金額のことを指します。

月給制の場合は6ヶ月間の賃金合計を180で割りますが、日給・時給制の場合は異なる計算方法が使われます。

  • 月給制の場合 → 再就職後6ヶ月間の賃金合計÷180
  • 日給・時給制の場合 → ①(賃金合計÷180)と②(賃金合計÷実労働日数×70%)の高い方

さらに、離職前の賃金日額には年齢に応じた上限額が設定されています。

前職で高い給与をもらっていても、上限額を超えた分は切り捨てになるため、実際の計算では「差額ゼロ」と判定されることがあるのです。

たとえば35歳の方で前職の実際の賃金日額が20,000円、再就職先が17,000円だったとしても、30歳以上45歳未満の上限額(15,020円)が適用されると、両方とも15,020円扱いになり、差額がゼロになってしまいます。

アルバイトやパートで再就職した場合は、月収が下がって見えても、日額に換算すると前職と変わらないケースもあるため注意が必要です。

パターン④|申請可能期間を逃してしまったケース

就業促進定着手当の申請期間は、再就職の日から6ヶ月が経過した日の翌日から2ヶ月間です。

この2ヶ月間を過ぎてしまうと、原則として申請は受け付けてもらえません。

申請期間を逃してしまう主な原因には、以下のようなものがあります。

  • そもそも制度の存在を知らなかった
  • 申請書類がハローワークから届いていたが気づかなかった
  • 引っ越しをして申請書類が届かなかった
  • 再就職先に書類の記入を依頼するタイミングを逃した
  • 忙しくて後回しにしているうちに期限が過ぎた

ただし、申請期間が過ぎてしまった場合にも救済の可能性はゼロではありません。

雇用保険の給付を受ける権利には2年間の時効が設けられており、この時効期間内であれば申請が認められるケースがあるとされています。

とはいえ、これはあくまで例外的な対応であり、確実に受理されるとは限りません。

やはり基本は「2ヶ月の申請期間内に確実に提出する」ことが重要です。

パターン⑤|雇用保険の加入資格に問題があるケース

就業促進定着手当の受給要件には、「雇用保険の被保険者として雇用されていること」が含まれています。

つまり、再就職先で雇用保険に加入していなければ支給の対象外となります。

雇用保険に加入できないケースとしては、以下のようなものが考えられます。

  • 週の所定労働時間が20時間未満の契約だった
  • 31日以上の雇用見込みがない短期契約だった
  • 個人事業主やフリーランスとして業務委託契約で働いていた
  • 会社側が雇用保険の加入手続きを怠っていた

なお、具体的な働き方と就業促進手当の対象か否かをまとめたのが次の表です。

働き方雇用保険の加入可否就業促進定着手当
正社員(フルタイム)〇 加入対象〇 対象
パート(週20時間以上・31日以上雇用見込み)〇 加入対象〇 対象
パート(週20時間未満)✕ 加入対象外✕ 対象外
業務委託(フリーランス)✕ 加入対象外✕ 対象外
起業による再就職✕ 被保険者ではない✕ 対象外

もし会社が手続きを怠っていた場合は、ハローワークに相談すれば遡って加入できる可能性もあります。

「自分が雇用保険に入っているかわからない」という方は、再就職の早い段階で給与明細の「雇用保険料」の控除欄を確認しておきましょう。

パターン⑥|前職と関係のある会社に再就職したケース

再就職手当には、「前の職場(離職した事業主)と密接な関連がある事業主に雇用されたものでないこと」という要件があります。

再就職手当がもらえなければ、当然ながら就業促進定着手当ももらえません。

前職と「密接な関連がある」と判断されやすいケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 前職のグループ会社や子会社に転職した
  • 前職の取引先で、前職からの斡旋で再就職した
  • 形式上は別会社だが、経営者が同一の会社に転職した
  • 離職前の会社に再雇用された

これらのケースでは、実質的に「元の職場環境と変わっていない」と判断され、再就職手当が不支給となることがあります。

もし前職と何らかの関係がある企業への転職を検討している場合は、事前にハローワークの窓口で支給対象になるかどうか確認しておくことをおすすめします。

就業促進定着手当がもらえない場合に実践すべき5ステップ対応策

就業促進定着手当をもらえないとわかったとき、「もう諦めるしかない」と思ってしまう方は少なくありません。

しかし、不支給の理由によっては対処のしようがあるケースも存在します。

ここでは、不支給の通知を受けた方や受給を諦めかけている方に向けて、実践すべき5つの対応ステップを紹介します。

  1. 不支給理由を正確に把握する
  2. 書類の再整備と訂正手続きを行う
  3. 申請期限切れの場合に例外救済を相談する
  4. 受給要件の達成に向けて労働条件を見直す
  5. 専門家やサポートサービスに相談する

以降の見出しでそれぞれ具体的に見ていきましょう。

ステップ①|不支給理由の正確な把握

まず最初にやるべきことは、なぜもらえないのかを正確に理解することです。

不支給の通知が届いた場合は、通知書に記載された理由を必ず確認してください。

理由がわからない場合や通知が届いていない場合は、ハローワークの窓口に直接問い合わせることで、不支給の理由を教えてもらえます。

確認すべきポイントとしては、以下の項目が挙げられます。

  • 再就職手当を受給済みかどうか
  • 雇用保険の被保険者期間が6ヶ月に達しているか
  • 賃金日額の計算結果はどうなっているか
  • 申請書類に不備や記入漏れがなかったか
  • 申請期限を過ぎていないか

不支給理由を正確に把握しなければ、次に取るべきアクションが見えてきません。

「なんとなくダメだった」で終わらせず、ハローワークの職員に具体的な理由を確認するようにしましょう。

ステップ②|書類の再整備と訂正手続き

不支給の理由が書類の不備や記入ミスだった場合は、再提出で解決できる可能性があります。

就業促進定着手当の申請には以下の書類が必要で、1つでも不備があると手続きが止まります。

  • 就業促進定着手当支給申請書(事業主の証明欄の記入が必要)
  • 雇用保険受給資格者証
  • 就職日から6ヶ月間の出勤簿の写し(事業主の原本証明が必要)
  • 就職日から6ヶ月間の給与明細または賃金台帳の写し(事業主の原本証明が必要)

特に多いミスが、事業主に記入を依頼する箇所の不備です。

支給申請書の事業主証明欄に記入漏れや誤りがあると、再提出を求められて手続きが遅れます。

また、出勤簿や給与明細の対象期間がずれているケースも見受けられます。

再就職した日が給与の締め日の翌日かどうかで、対象となる期間が変わる点にも注意してください。

もし雇用保険受給資格者証を紛失した場合は、身分証明書を持参してハローワークに行けば再発行が可能です。

ステップ③|申請期限切れ時の例外救済の相談

申請期限(6ヶ月経過日の翌日から2ヶ月間)を過ぎてしまった場合でも、すぐに諦める必要はありません。

雇用保険の給付を受ける権利には2年間の消滅時効があり、この期間内であれば申請を受理してもらえるケースがあるとされています。

ただし、この時効による救済はあくまで法律上の仕組みであり、実際の運用はハローワークごとに異なる場合があります。

期限切れになった場合に取るべき行動は、以下のとおりです。

  • まずハローワークに電話または窓口で事情を説明する
  • 期限を過ぎた理由を具体的に伝える(病気、災害、書類の未達など)
  • 必要書類がすべて揃っているかを確認する
  • 時効期間内であることを前提に、受理の可否を相談する

「特別な事情があると認められない限り、期限を過ぎての申請は受け付けません」と厚生労働省のリーフレットには記載されていますが、やむを得ない事情がある場合は相談してみる価値があります。

ステップ④|受給要件達成に向けた労働条件の見直し

まだ6ヶ月の勤務期間中であり、これから受給要件を満たせる可能性がある方は、今のうちに労働条件を確認しておくことが大切です。

たとえば、雇用保険に加入できていない場合は、勤務時間や雇用契約の見直しで解決できることがあります。

  • 週の所定労働時間が20時間に満たない場合は、シフトの増加を勤務先に相談する
  • 短期契約の場合は、31日以上の雇用見込みがある契約への変更を相談する
  • 雇用保険の加入手続きが漏れていないか、人事・総務に確認する

また、6ヶ月間の途中で退職しないことも非常に重要です。

給与に不満がある場合でも、6ヶ月間を勤め上げてから就業促進定着手当を受け取った後に転職を検討する方が、経済的には得になるケースが多いでしょう。

引用元:ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」

ステップ⑤|専門家・サポートサービスへの相談

自分だけで判断が難しい場合は、専門家に相談するのが最も確実な方法です。

相談先としては、以下のような選択肢があります。

相談先費用特徴
ハローワーク窓口無料制度に精通した職員が対応。不支給理由の確認や再申請の相談が可能
社会保険労務士(社労士)有料(初回無料相談あり)雇用保険の専門家。複雑なケースの判断や書類作成を代行
労働基準監督署無料雇用保険の加入漏れなど、事業主側に問題がある場合の相談先
民間の給付金サポートサービスサービスによる申請手続きの支援や他の給付金の案内を受けられる

まず気軽に相談できるのはハローワークの窓口です。

費用がかからず、制度について最も正確な情報を得ることができます。

それでも解決しない場合や、より専門的な判断が必要な場合は社労士に相談するとよいでしょう。

就業促進定着手当がもらえない場合に検討したい代替支援制度

就業促進定着手当がもらえないとわかっても、他に利用できる制度がないか検討することは非常に大切です。

日本には再就職後の生活を支えるさまざまな支援制度が用意されています。

ここでは、就業促進定着手当の代わりに活用できる可能性がある4つの制度を紹介します。

再就職手当との違いと併用可能性

まず押さえておきたいのが、再就職手当と就業促進定着手当の関係です。

この2つは同じ「就職促進給付」に分類される制度ですが、目的と支給タイミングが異なります。

項目再就職手当就業促進定着手当
目的早期の再就職を促す再就職先への定着を促す
支給のタイミング再就職が決まった時点再就職から6ヶ月経過後
主な条件基本手当の残日数が1/3以上再就職手当を受給済み+賃金低下
併用の可否再就職手当を受給していることが前提

つまり、就業促進定着手当は再就職手当の「追加給付」という性質を持っています。

就業促進定着手当がもらえなくても、すでに再就職手当を受け取っている方はその分の給付は確保されています。

逆に、再就職手当を受け取っていない場合はどちらの手当も受けられないことになるため、退職時の手続きが非常に重要です。

就業手当・常用就職支度手当の適用可否

就職促進給付には、再就職手当と就業促進定着手当のほかにも「就業手当」と「常用就職支度手当」があります。

これらは再就職手当の対象にならなかった方でも受給できる可能性がある制度です。

  • 就業手当とは、基本手当の受給中に、再就職手当の対象にならないアルバイトや短期の仕事に就いた場合に支給される手当です。支給額は基本手当日額の30%に就業した日数を掛けた金額になります。
  • 常用就職支度手当とは、障害のある方や45歳以上の方など、就職が困難と認められる方がハローワークの紹介で安定した職業に就いた場合に支給される手当です。基本手当の残日数が少ない方でも対象となる可能性があります。

これらの制度は就業促進定着手当とは異なる支給条件が設定されているため、自分が当てはまるかどうかをハローワークの窓口で確認してみてください。

自治体独自の再就職支援金・補助金

国の制度以外にも、市区町村によっては独自の再就職支援制度を設けているケースがあります。

たとえば、以下のような支援が自治体ごとに用意されていることがあります。

  • UIJターン就職者向けの移住支援金・就業支援金
  • 特定の業種(介護・保育など)への就職に対する奨励金
  • ひとり親家庭向けの就労支援給付金
  • 生活困窮者向けの住居確保給付金(家賃補助)

これらの支援制度は自治体のウェブサイトや窓口で確認できます。

「求職者支援制度」も検討の価値があります。

これは雇用保険を受給できない方や受給が終了した方が対象で、無料の職業訓練を受けながら月10万円の給付金を受け取ることができる制度です。

引用元:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」

お住まいの地域のハローワークや市区町村の福祉窓口に相談すれば、利用できる制度を案内してもらえます。

税金・社会保険料の負担軽減措置

就業促進定着手当がもらえなくても、税金や社会保険料の負担を軽減する仕組みを活用すれば、手元に残るお金を増やすことができます。

再就職直後に使える主な軽減措置は、以下のとおりです。

  • 国民健康保険料の減額・免除制度
    離職理由が会社都合の場合、保険料が最大で約7割軽減されることがあります。市区町村の窓口で申請が必要です。
  • 国民年金の免除・猶予制度
    退職による収入減少を理由に、国民年金保険料の全額免除や猶予を受けられる場合があります。年金事務所または市区町村の窓口で手続きできます。
  • 住民税の減免制度
    前年の収入に基づいて課税される住民税は、離職後に大きな負担となることがあります。失業や収入の激減を理由とした減免制度を設けている自治体もあるため、確認してみましょう。
  • 確定申告による所得税の還付
    年の途中で退職して再就職した場合、年末調整が適切に行われていないことがあります。確定申告をすることで、払い過ぎた所得税が戻ってくるケースも少なくありません。

これらの制度は就業促進定着手当の有無にかかわらず利用できるため、あわせて検討しておくことをおすすめします。

就業促進定着手当がもらえない場合を未然に防ぐ事前準備のコツ

就業促進定着手当の受給に失敗するケースの多くは、事前の準備不足が原因です。

「知っていれば防げた」というパターンを避けるために、再就職直後から意識しておきたいポイントを3つに分けて解説します。

ここで紹介する対策を取り入れるだけで、申請時のトラブルを大幅に減らすことができます。

再就職直後から始める書類管理術

就業促進定着手当の申請には、6ヶ月分の出勤簿と給与明細の写しが必要です。

これらの書類を申請期間に入ってから慌てて集めようとすると、紛失や手配の遅れでトラブルになりがちです。

再就職初日から実践しておきたい書類管理のポイントを紹介します。

  • 毎月の給与明細はPDFまたは紙で必ず保存する
  • 出勤簿やタイムカードの記録が自分でも確認できるようにしておく
  • 再就職手当の支給決定通知書と一緒に届く「就業促進定着手当支給申請書」を紛失しない
  • 雇用保険受給資格者証は申請完了まで保管する
  • 引っ越しをした場合は郵便局に転居届を提出する

特に重要なのが、就業促進定着手当支給申請書の保管です。

この書類は再就職手当の支給決定通知書と一緒に届くことが多く、「再就職手当のことは終わった」と思って書類一式を処分してしまう方がいます。

申請書を紛失してしまうとハローワークに再発行を依頼する手間が発生するため、受け取ったらすぐに専用のファイルなどにまとめておきましょう。

6ヶ月間の勤務中に注意すべきポイント

6ヶ月間の勤務期間中にも、就業促進定着手当の受給に影響を与える要注意ポイントがいくつかあります。

特に以下の点は意識しておいてください。

  • 雇用契約の変更(労働時間の短縮など)によって雇用保険の被保険者資格を失わないこと
  • 派遣社員の場合、派遣先が変わっても派遣元との雇用保険が途切れないよう確認すること
  • 6ヶ月の起算日がいつかを正確に把握しておくこと

「6ヶ月」の数え方は特に初心者がつまずきやすいポイントです。

入社日と締め日の関係6ヶ月の起算日6ヶ月経過日の例
入社日=締め日の翌日(例:月末締め・4/1入社)入社日(4/1)9/30
入社日≠締め日の翌日(例:月末締め・4/10入社)最初の締め日の翌日(5/1)10/31

起算日を間違えると、申請期間もずれてしまうため要注意です。

入社時に人事担当者に給与の締め日を確認し、自分の6ヶ月経過日がいつになるかを計算しておきましょう。

申請スケジュールの逆算管理法

就業促進定着手当の申請を確実に行うには、逆算してスケジュールを管理するのが最も効果的です。

たとえば、4月1日に再就職した方(月末締め)の場合、以下のような流れになります。

時期やるべきこと
4/1再就職日(=6ヶ月のカウント開始)
4/1〜9/306ヶ月間の勤務期間。給与明細と出勤簿を毎月保管
9/306ヶ月経過日
10/1申請期間の開始日
10月上旬事業主に申請書の記入と出勤簿・賃金台帳の準備を依頼
10月中旬〜下旬ハローワークに書類を提出(窓口または郵送)
11/30申請期限(この日までに提出が必要)
提出後2週間〜1ヶ月支給決定通知書が届き、その後約1週間以内に振り込み

申請期間開始の1ヶ月前(上記の例では9月上旬頃)からスケジュールを立て始めると余裕を持って準備できます。

スマートフォンのカレンダーやリマインダーアプリに主要な日付を登録しておくと、うっかり忘れを防止できます。

就業促進定着手当がもらえない場合のQ&A|よくある疑問を専門家が回答

最後に、就業促進定着手当に関するよくある疑問をQ&A形式でまとめました。

初心者の方が特に気になりやすい5つの質問について、わかりやすく回答します。

不支給決定に納得できない場合、異議申し立てはできますか?

はい、雇用保険の給付に関する処分に不服がある場合は、「審査請求」という制度を使って異議を申し立てることができます。

審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3ヶ月以内に、都道府県労働局に配置された「雇用保険審査官」に対して行います。

書面でも口頭でも申し立てが可能で、費用はかかりません。

引用元:厚生労働省「雇用保険の手続きをされる方へ」

審査請求の結果にさらに不服がある場合は、労働保険審査会への再審査請求、さらにはその後の行政訴訟という流れで争うことも可能です。

ただし、審査官は基本的に法令や行政解釈に基づいて判断するため、新たな証拠や事情がない限り結論が覆る可能性は高くないのが実情です。

まずはハローワークの窓口で不支給の理由を詳しく聞いたうえで、審査請求すべきかどうかを判断しましょう。

審査請求の手続きに不安がある方は、社会保険労務士に相談するのも有効な方法です。

パート・アルバイトでも就業促進定着手当はもらえますか?

もらえる可能性があります。

就業促進定着手当の受給要件には雇用形態の制限はありません。

パートでもアルバイトでも、以下の3つの条件をすべて満たしていれば支給の対象となります。

  • 再就職手当の支給を受けていること
  • 同じ事業主のもとで6ヶ月以上、雇用保険の被保険者として働いていること
  • 再就職後6ヶ月間の賃金日額が離職前の賃金日額を下回っていること

ただし、パート・アルバイトの場合は注意点があります。

賃金は月給ではなく「日額」で比較されるため、月収が下がって見えても日額ベースでは前職と変わらない、あるいは上回っているケースもあるのです。

たとえば、前職で月給25万円(日額約8,333円)だった方が、時給1,200円×5時間×週4日のパートに転職した場合、実労働日数ベースの日額が前職を上回ることもあります。

申請前に自分の賃金日額を計算してみることをおすすめします。

申請後にどれくらいで振り込まれますか?

ハローワークに書類を提出してから支給決定通知書が届くまで、通常2週間〜1ヶ月程度かかります。

その後、通知書が届いてからおおむね1週間以内に指定口座へ振り込まれるのが一般的です。

ただし、書類に不備があった場合は修正・再提出が必要になり、さらに時間がかかります。

振り込みまでの期間を短くするために意識したいポイントは以下の3つです。

  • 提出前に書類一式をハローワークの窓口でチェックしてもらう
  • 事業主の記入欄に漏れや誤りがないか、提出前に自分でも確認する
  • 出勤簿や給与明細の対象期間が正しいか照合する

少しでも早く振り込みを受けたい方は、申請期間が始まったら速やかに書類を準備して提出するようにしましょう。

手当を受け取った後すぐに転職しても問題ありませんか?

問題ありません。

就業促進定着手当を受け取った後に退職したとしても、手当を返還する必要はないとされています(不正受給の場合を除きます)。

実際のところ、6ヶ月以上勤務して就業促進定着手当を受給した後であれば、「再就職先に定着した」という制度の目的はある程度果たされています。

さらに、就業促進定着手当の受給後に退職して失業状態になった場合、基本手当の支給残日数から再就職手当と就業促進定着手当に相当する日数を差し引いて、なお残日数があれば基本手当を受給できる可能性もあります。

また、12ヶ月以上勤務した後に退職した場合は、新たに雇用保険の受給資格が発生するため、改めて基本手当を受けられるケースもあります。

ただし、短期間での転職は今後のキャリアに影響する場合もあるため、慎重に検討してください。

賃金が上がったか下がったか微妙な場合はどうなりますか?

就業促進定着手当の支給の可否は、「離職前の賃金日額」と「再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額」の差額によって決まります。

この差額がゼロまたはマイナス(再就職後の方が高い)であれば、支給額はゼロとなり、手当は支給されません。

差額が「微妙」になりやすいのは、以下のようなケースです。

  • 前職の賃金日額が上限額に近く、再就職後もほぼ同水準の給与を得ている場合
  • 再就職後に残業が多く、基本給は下がったが総支給額では差がほとんどない場合
  • 月によって給与に変動があり、6ヶ月間の平均で見ると差がわずかな場合

微妙な場合でも、1円でも賃金日額が下がっていれば支給の対象となる可能性はあります。

自分で計算するのが難しい場合は、ハローワークに6ヶ月分の給与明細を持参して相談すれば、正確な賃金日額を算出してもらえます。

「たぶん対象外だろう」と自己判断で申請を見送るのはもったいないので、迷ったらまずハローワークに相談してみましょう。

\ 受け取れる給付金、見逃していませんか? /

就業促進定着手当以外にも、退職・転職時に活用できる給付金はさまざまあります。

「自分はどの制度が使えるのか」を無料で診断してもらえるサービスがありますので、気になる方はチェックしてみてください。

👉 給付金の無料診断はこちら