再就職手当はいつもらえる?申請から振込までの期間・条件・金額をやさしく解説

「再就職手当っていつもらえるの?」「申請してからどれくらいで振り込まれるの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。

再就職手当は、失業手当(基本手当)の受給期間中に早めに再就職が決まった方へ支給される一時金です。

せっかく対象になるのに、申請の流れや条件を知らずに受け取りそびれてしまうケースも少なくありません。

この記事では、再就職手当がいつもらえるのかという疑問を軸に、申請ステップ・受給条件・支給額の計算方法・注意点までまるごとやさしく解説します。

初めて再就職手当を受け取る方でも迷わず手続きできるよう、具体的なシミュレーションやチェックリストも用意しました。

ぜひ最後まで読んで、損なく手当を受け取ってください。


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再就職手当はいつもらえる?結論は「申請後おおよそ1〜2ヶ月」

再就職手当がいつもらえるのか、結論から先にお伝えすると、申請書類をハローワークに提出してからおおよそ1〜2ヶ月後に振り込まれるのが一般的です。

ただし、この期間はあくまで目安であり、審査の混雑状況や書類の不備によって前後することがあります。

実際の流れをざっくり把握しておくと、不安がかなり軽くなるはずです。

  • 申請書類を提出してから約1ヶ月で審査が完了するケースが多い
  • 審査完了後に「支給決定通知書」が届き、その後1週間前後で口座に振り込まれる
  • 書類の不備があった場合は審査がストップし、修正・再提出の期間分だけ遅れる
  • 年度末や大型連休の前後はハローワークが混み合い、通常より時間がかかることがある

大切なのは「提出してから振り込みまでには一定の期間がかかる」と理解しておくことです。

入社後すぐにお金が必要な場合は、生活費のやりくりを早めに計画しておきましょう。

支給決定通知書が届くタイミングの目安

支給決定通知書とは、ハローワークが審査を終えた後に「支給が決定しました」と知らせてくれる書面のことです。

この通知書が届けば、あとは振り込みを待つだけなので、手続き上の大きな山場はクリアしたことになります。

届くまでの一般的なスケジュール感を以下の表にまとめました。

ステップ目安の時期
再就職手当支給申請書の提出入社日の翌日〜1ヶ月以内
ハローワークによる審査提出から約1ヶ月
支給決定通知書の送付審査完了後すみやかに郵送
口座への振り込み通知書到着から約1週間前後

表のとおり、申請書を提出してから振り込みまでのトータル期間はおおむね1ヶ月半〜2ヶ月程度になることが多いです。

なお、通知書が届く前にハローワークから電話で追加書類を求められることもあります。

その場合は早急に対応するほど、振り込みの遅れを最小限に抑えられます。

届いた通知書には支給額や振込予定日が記載されているため、金額に相違がないかしっかり確認しておきましょう。

振込までの期間を遅らせないためにできること

再就職手当の振り込みが遅れる原因のほとんどは「書類の不備」です。

事前に防げるポイントを押さえておけば、スムーズに受け取ることができます。

以下のことを意識してみてください。

  • 再就職手当支給申請書の記入項目はすべて埋め、空欄を残さない
  • 事業主(再就職先の会社)の記入欄は会社に早めに依頼し、社印の押し忘れに注意する
  • 雇用保険受給資格者証など必要書類を事前にリストアップして確認する
  • 提出前にハローワークの窓口へ電話し、不足書類がないか聞いておく

特に多いミスが、再就職先の事業主記入欄に関するトラブルです。

入社直後は人事・総務部門も忙しく、記入や社印の対応が遅れることがあります。

入社前の段階で「再就職手当の手続きに会社の記入が必要です」と伝えておくと、スムーズに進みやすくなります。

また、提出は郵送でも可能ですが、窓口で直接手渡しすればその場で不備を指摘してもらえるため、修正のロスを防ぐことができます。


そもそも再就職手当とは?失業手当との違いを押さえよう

再就職手当の受給スケジュールを理解するうえで、まずは制度そのものの仕組みを押さえておくことが大切です。

再就職手当と失業手当(基本手当)は名前が似ているため混同されやすいのですが、目的・支給タイミング・受け取り方がそれぞれ異なります。

ここでは両者の違いを整理しながら、再就職手当がどのような制度なのかを解説します。

  • 再就職手当は「早期に再就職した人」へのお祝い金のような性質を持つ一時金
  • 失業手当は「求職活動中の生活を支える」ための定期的な給付金
  • どちらも雇用保険から支給されるが、受け取れるタイミングと回数が違う

両者の関係を正しく理解しておくことで、「再就職手当はいつもらえるのか」という疑問にも、より納得感を持って答えが見つかるはずです。

再就職手当の役割と設けられた目的

再就職手当は、雇用保険法に基づいて設けられた「就業促進手当」のひとつです。

失業した方ができるだけ早く安定した仕事に就くことを後押しする目的で用意されています。

厚生労働省は再就職手当について、次のように説明しています。

基本手当の受給資格がある方が安定した職業に就いた場合(中略)、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。

――厚生労働省「就職促進給付」

つまり、失業手当をまだ一定期間以上残した状態で早めに再就職すると、残日数に応じたまとまった金額が一括で受け取れる仕組みです。

「早く就職するほど得をする」というインセンティブを持たせることで、長期の失業を防ぎたいという国の政策的な意図があります。

言い換えれば、再就職手当は「早く新しい職場で頑張ろうとしている人を応援するための制度」です。

受け取り損ねないよう、対象になるかどうかを早めに確認しておきましょう。

失業手当(基本手当)とどこが違うのかをわかりやすく比較

「再就職手当」と「失業手当(基本手当)」は、どちらも雇用保険の制度ですが、性格がかなり異なります。

以下の比較表で全体像をつかんでおきましょう。

比較項目再就職手当失業手当(基本手当)
目的早期再就職を促す求職中の生活を安定させる
支給方法一括支給(1回のみ)4週間ごとに分割支給
受給のタイミング再就職後に申請→1〜2ヶ月後に振込失業認定日ごとに受給
課税の有無非課税非課税
受給条件の基本支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある離職後にハローワークで求職申込みをしている

表からわかるとおり、失業手当は「求職中にこまめに受け取る」性質であるのに対し、再就職手当は「再就職が決まった後にまとめて受け取る」点が最大の違いです。

もうひとつ大切なポイントとして、再就職手当を受け取ると、残りの失業手当は支給されなくなるという点があります。

とはいえ、再就職手当の額は残日数をベースに計算されるため、「もらい損」になるわけではありません。

どちらが得かを比較するよりも、早めに安定した仕事に就くことで結果的にプラスになるケースが多いことを覚えておいてください。


再就職手当はいつもらえる?受け取りまでの申請ステップ

ここからは、再就職手当を実際に受け取るまでの具体的な流れを4つのステップに分けて解説します。

手続き自体はそれほど難しくありませんが、順序を間違えたり書類を出し忘れたりすると受給が遅れてしまいます。

「再就職手当はいつもらえるのか」をコントロールするためにも、ステップごとのポイントをしっかり押さえておきましょう。

  • ステップ①で再就職の報告をし、ステップ②で申請書を受け取る
  • ステップ③で必要書類を揃えて提出し、ステップ④で審査後に振込を受ける
  • 各ステップの合間にかかる日数を意識すると、全体スケジュールが見通しやすくなる

スムーズに進めば、再就職日から2ヶ月以内に振り込みが完了するケースが多いです。

ステップ①:再就職が決まったらハローワークに届け出る

再就職先が決まったら、入社日の前日までにハローワークへ報告することが最初のステップです。

この届け出を「就職の届出」と呼び、採用証明書を持参して窓口で手続きを行います。

届け出の際に持参するものは以下の通りです。

  • 雇用保険受給資格者証
  • 失業認定申告書
  • 採用証明書(雇用保険受給資格者のしおりに同封されているもの)

採用証明書は、再就職先の企業に記入・押印してもらう書類です。

内定をもらった段階で早めに企業へ依頼しておくと、提出までの日数を短縮できます。

ここで届け出をしないまま入社してしまうと、再就職手当の受給が大幅に遅れたり、最悪の場合は受給できなくなる可能性もあります。

「再就職が決まったら、まずハローワークに行く」という行動をセットで覚えておいてください。

ステップ②:再就職手当支給申請書を受け取って記入する

ハローワークで就職の届出をすると、窓口で「再就職手当支給申請書」が交付されます。

この申請書こそが、再就職手当を受け取るために最も重要な書類です。

申請書には本人が記入する欄と、再就職先の事業主が記入する欄の2種類があります。

記入欄記入する人主な記入内容
申請者欄自分自身氏名・住所・振込先口座・入社日など
事業主欄再就職先の企業会社名・所在地・雇用形態・契約期間・社印など

事業主欄の記入は企業の人事・総務担当者に依頼することになるため、入社したらすぐにお願いするのがコツです。

記入漏れや社印の押し忘れがあると審査がストップし、振り込みが遅れる原因になります。

自分の記入欄についても、振込先の口座番号や支店名を正確に書くよう注意しましょう。

ステップ③:必要書類を揃えてハローワークに提出する

申請書の記入が完了したら、必要書類を一式揃えてハローワークへ提出します。

提出期限は原則として入社日の翌日から1ヶ月以内です。

提出する主な書類は以下のとおりです。

  • 再就職手当支給申請書(本人欄・事業主欄とも記入済みのもの)
  • 雇用保険受給資格者証
  • その他ハローワークから指示された追加書類(該当者のみ)

提出方法は窓口への持参のほか、郵送でも受け付けてもらえます。

ただし、郵送の場合は書類の不備があっても返送に時間がかかるため、できるだけ窓口で提出するのがおすすめです。

窓口で提出すれば、その場で書類の内容をチェックしてもらえるため、不備による遅延リスクを大幅に減らせます。

提出を忘れたり期限を過ぎたりすると、再就職手当が受け取れなくなるケースもあるので、スケジュール管理を徹底しましょう。

ステップ④:審査完了後に支給決定通知書が届き振込される

書類を提出した後は、ハローワークでの審査に入ります。

審査では、再就職先での雇用実態や受給条件を満たしているかが確認されます。

審査完了までに通常1ヶ月程度かかり、問題がなければ支給決定通知書が自宅に届きます。

振込までの流れを改めてまとめると、次のようになります。

  • 書類提出後、ハローワークが在籍確認や条件確認の審査を実施
  • 審査に通過すると支給決定通知書が郵送で届く
  • 通知書に記載された金額が、届いてから約1週間前後で指定口座に振り込まれる
  • 万が一、不支給と判断された場合は不支給決定通知書が届く

振り込みが確認できたら、支給額と通知書の金額が一致しているか確認しておくと安心です。

もし審査中にハローワークから電話がかかってきた場合は、追加確認が必要なサインなので、早めに対応してください。

ここまでが再就職手当を受け取るまでの一連の流れです。


再就職手当がいつもらえるかを左右する8つの受給条件

再就職手当は、再就職すれば誰でも受け取れるわけではありません。

支給を受けるためには、ハローワークが定める8つの条件をすべて満たす必要があります。

この条件を事前に知っておくことが、「再就職手当がいつもらえるのか」を確実にする第一歩です。

厚生労働省が示している8つの受給条件は以下のとおりです。

  1. 受給手続き後、7日間の待期期間が満了した後に就職、又は事業を開始したこと。
  2. 就職日の前日までの失業の認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
  3. 離職した前の事業所に再び就職したものでないこと。(中略)
  4. 受給資格に係る離職理由により給付制限(基本手当が支給されない期間)がある方は、求職申込みをしてから、待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること。
  5. 1年を超えて勤務することが確実であること。
  6. 原則として、雇用保険の被保険者になっていること。
  7. 過去3年以内の就職について、再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと。
  8. 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。 ――厚生労働省「就職促進給付」

8つの条件はどれかひとつでも欠けると不支給になるため、自分がすべてに当てはまるか事前に確認することがとても重要です。

特に、条件5の「1年を超えて勤務することが確実」という点は、短期の契約社員や派遣社員の方にとって注意すべきポイントになります。

条件を読んでわかりにくい部分があれば、ハローワークの窓口で自分のケースを直接相談するのが最も確実です。

特に見落としやすい条件とは?

8つの条件のなかでも、見落としやすいものをピックアップして解説します。

多くの方がうっかり該当しないまま申請してしまう条件は、主に次の3つです。

  • 待期期間7日間の満了後であること
    ハローワークで求職申込みをしてから最初の7日間は「待期期間」と呼ばれ、この間に就職すると再就職手当の対象外になります。 内定日と入社日が近い方は特に注意してください。
  • 給付制限期間中の最初の1ヶ月はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介であること
    自己都合退職の場合は給付制限がかかります。 その最初の1ヶ月間に就職する場合、ハローワークか許可を受けた職業紹介事業者の紹介で就職したことが条件になります。 自力で求人サイトから応募した場合は、この期間内だと対象外になることがあるため要注意です。
  • 過去3年以内に再就職手当を受給していないこと
    前回の再就職手当の受給から3年以内に再度受給しようとする場合は、対象外です。 転職回数が多い方は、過去の受給履歴を確認しておきましょう。

これらの条件は、ハローワークの窓口で受給資格者証を見せながら確認するのが最も正確です。

自分では判断が難しい場合も遠慮なく質問してみてください。


再就職手当はいくらもらえる?支給額の計算方法とシミュレーション

再就職手当がいつもらえるかと同じくらい気になるのが、「いくらもらえるのか」という金額の部分ではないでしょうか。

支給額は、基本手当日額・支給残日数・支給率の3つをかけ合わせて計算します。

計算式は以下のとおりです。

再就職手当の支給額 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 支給率(60%または70%)

この計算式を見るだけでは具体的なイメージがわきにくいと思いますので、支給率の決まり方・日額の上限・実際のシミュレーションを順番に解説します。

支給率60%と70%の違いはどこで決まるのか

再就職手当の支給率は、所定給付日数のうちどれだけ残っているかで変わります。

残日数が多いほど支給率が高くなり、早期に再就職した方が有利な設計です。

支給残日数の割合支給率
所定給付日数の3分の2以上を残して再就職した場合70%
所定給付日数の3分の1以上を残して再就職した場合60%

たとえば、所定給付日数が90日の方が30日分以上残して再就職すれば支給率60%、60日分以上残していれば70%になります。

つまり、失業手当をあまり使わないうちに就職するほど、再就職手当の支給率が上がるという仕組みです。

ただし、「手当をたくさんもらいたいから焦って就職する」のは本末転倒です。

自分に合った仕事かどうかを見極めたうえで、結果的に早期再就職になるのが理想的だといえます。

基本手当日額の上限と年齢による違い

再就職手当の計算に使う基本手当日額には上限額が設定されています。

この上限額は毎年8月に見直されるため、申請するタイミングによって金額が変わる可能性があります。

2024年8月1日時点の上限額は以下のとおりです。

年齢区分基本手当日額の上限
60歳未満6,395円
60歳以上65歳未満5,170円

基本手当日額の上限額は、6,395円(60歳以上65歳未満は5,170円)となります。 ――厚生労働省「就職促進給付」

もし離職前の給与が高く、算出された基本手当日額がこの上限を超える場合は、上限額が適用されます。

逆に、パートや時短勤務で給与が低かった方は基本手当日額も低くなるため、再就職手当の支給額もその分少なくなります。

自分の基本手当日額がいくらなのかは、雇用保険受給資格者証に記載されているので確認してみてください。

【ケース別】具体的な受給額をシミュレーションで確認

実際にどのくらいの金額が受け取れるのか、ケース別にシミュレーションしてみましょう。

ここでは3つのパターンを紹介します。

ケース①:30代・基本手当日額5,000円・所定給付日数90日・残日数65日の場合

支給残日数が90日の3分の2(60日)以上あるため、支給率は70%です。

5,000円 × 65日 × 70% = 227,500円

ケース②:40代・基本手当日額6,395円(上限)・所定給付日数120日・残日数50日の場合

支給残日数が120日の3分の1(40日)以上あるため、支給率は60%です。

6,395円 × 50日 × 60% = 191,850円

ケース③:50代・基本手当日額6,395円(上限)・所定給付日数240日・残日数170日の場合

支給残日数が240日の3分の2(160日)以上あるため、支給率は70%です。

6,395円 × 170日 × 70% = 760,985円

このように、所定給付日数が長い方や基本手当日額が高い方ほど、再就職手当の支給額は大きくなります。

自分の数字を当てはめて計算してみると、具体的な金額感がつかめるのでおすすめです。


再就職手当を受け取る利点と知っておきたい注意点

再就職手当は早期再就職のご褒美ともいえる制度ですが、利点だけでなく注意点もあります。

両方を理解したうえで判断することが、後悔のない選択につながります。

ここでは、受け取る利点と知っておきたい注意点をそれぞれ整理して解説します。

項目利点注意点
支給方法まとまった金額が一括で受け取れる失業手当の残り分は支給されなくなる
税金非課税のため確定申告不要
返金再就職後に退職しても返金不要安心感から焦った転職をしてしまうリスクがある

受け取る利点:一括支給・非課税・返金不要

再就職手当の大きな利点は、なんといってもまとまった金額が一括で振り込まれることです。

新しい職場で最初の給料が入るまでの生活費や、スーツ・通勤用品などの出費に充てることができます。

さらに、再就職手当は雇用保険法上「非課税」として扱われます。

所得税や住民税の対象にならないため、受け取った金額がそのまま手元に残るのは嬉しいポイントです。

加えて、万が一再就職先を短期間で退職してしまった場合でも、すでに受け取った再就職手当を返金する必要はありません。

  • 一括支給なので生活の立て直しに使いやすい
  • 非課税のため手取りがそのまま残る
  • 再就職先を退職しても返金義務がない
  • 失業手当を最後まで受け取るよりトータルの空白期間を短くできる

このように、金銭面でも精神面でも安心材料が多い制度です。

対象になる方はぜひ積極的に活用してみてください。

知っておきたい注意点:失業手当の総額が減る・焦った転職のリスク

一方で、再就職手当を選ぶことによるデメリットも理解しておきましょう。

最大の注意点は、再就職手当を受け取ると残りの失業手当は支給されなくなるという点です。

たとえば、所定給付日数90日のうち60日分を残して再就職した場合、失業手当をそのまま受け取り続けた場合のほうが総額は多くなります。

再就職手当は残日数に対して60〜70%をかけた金額なので、単純な金額比較では失業手当を全額もらったほうが多く受け取れるケースがあります。

もうひとつの注意点は、「手当がもらえるから」と焦って再就職先を決めてしまうリスクです。

  • 再就職手当の支給率70%を狙って、十分に検討しないまま入社を決めてしまう
  • 職場環境が合わず短期間で再び離職し、キャリアにブランクが増えてしまう
  • 次に再就職手当を受け取るには3年間空ける必要があるため、すぐには再利用できない

再就職手当はあくまで「早期再就職の結果として受け取れるもの」であり、手当を目的に転職先を急いで決めるのは本末転倒です。

自分にとって納得できる再就職先かどうかを最優先に考え、結果的に手当がもらえたらラッキーくらいの心構えが丁度よいでしょう。


再就職手当の申請で気をつけたいポイントと対処法

再就職手当の手続きには、いくつか気をつけておきたい落とし穴があります。

知らないまま期限を過ぎてしまったり、書類の不備で審査が長引いたりするケースは珍しくありません。

ここでは、よくあるトラブルと対処法をまとめて紹介します。

  • 申請期限を過ぎると原則として受給できなくなる
  • 振り込みが遅い場合はハローワークに問い合わせるのが確実
  • 書類の記入漏れが振り込み遅延の最大の原因になる

いずれも事前に知っておけば防げることばかりなので、しっかり押さえておきましょう。

申請期限は入社日の翌日から原則1ヶ月以内

再就職手当の申請期限は、原則として入社日の翌日から1ヶ月以内です。

この期限を過ぎてしまうと、原則として再就職手当を受け取ることができなくなります。

ただし、やむを得ない理由がある場合は、時効である2年以内であれば申請が認められるケースもあります。

具体的にどのような理由が認められるかはケースバイケースのため、期限を過ぎてしまった場合はまずハローワークに相談してください。

  • 原則の申請期限は入社日の翌日から1ヶ月以内
  • 期限を過ぎても時効(2年)以内であれば受理される可能性がある
  • やむを得ない理由の有無はハローワークが個別に判断する
  • 期限ギリギリにならないよう、入社後すぐに書類準備を始めるのがベスト

入社直後は新しい環境に慣れることに精一杯で、手続きを後回しにしがちです。

入社初日にカレンダーへ「再就職手当の申請期限」を書き込んでおくだけでも、うっかり忘れを防ぐ効果があります。

2ヶ月以上経っても振り込まれない場合の確認先

申請書を提出してから2ヶ月以上経っても振り込みがないと、不安になるのは当然です。

そのような場合は、まず申請先のハローワークに電話で問い合わせてみてください。

考えられる主な原因は以下のとおりです。

考えられる原因対処法
書類の不備や記入漏れハローワークからの連絡を見落としていないか確認し、すぐに修正・再提出する
在籍確認に時間がかかっているハローワークが再就職先に連絡を取っている段階のため、勤務先にも状況を確認する
審査の混雑年度替わりなどは処理件数が増えるため、通常より時間がかかることがある
受給条件を満たしていない不支給の場合は不支給決定通知書が届くため、届いていないか郵便物を再確認する

問い合わせる際は、雇用保険受給資格者証に記載されている受給資格者番号を手元に準備しておくとスムーズです。

また、ハローワークから届いた書類や電話の着信履歴を改めて確認してみましょう。

追加書類を求める通知を見落としていたというケースは意外と多いです。

書類の記入漏れ・不備を防ぐチェックリスト

提出前にひと通りチェックするだけで、審査の遅延を防ぐことができます。

以下のチェックリストを活用してみてください。

  • 再就職手当支給申請書の申請者欄(氏名・住所・電話番号・振込先口座)はすべて記入したか
  • 振込先の口座番号・支店名に誤りはないか
  • 事業主欄は再就職先の担当者がすべて記入し、社印が押されているか
  • 雇用保険受給資格者証は同封したか(窓口持参の場合は持っていくか)
  • 提出期限(入社日の翌日から1ヶ月以内)を過ぎていないか
  • 書類のコピーを手元に残しているか

特に見落としやすいのが、事業主欄の社印の押し忘れと振込先口座の記入ミスです。

これらは審査をストップさせる直接的な原因になるため、提出前に必ず目視で確認してください。

書類のコピーを手元に残しておくと、万が一問い合わせが来た際にもすぐ対応できます。


再就職手当と一緒に知っておきたい「就業促進定着手当」

再就職手当と合わせてぜひ覚えておきたいのが、「就業促進定着手当」という制度です。

これは再就職手当を受けた方が一定の条件を満たした場合に、追加でもらえる手当です。

知らずに申請しないままスルーしてしまう方も多いため、ここでしっかり確認しておきましょう。

手当の名称支給タイミング主な条件
再就職手当再就職後に申請し1〜2ヶ月後支給残日数が所定給付日数の3分の1以上など
就業促進定着手当再就職後6ヶ月経過後に申請再就職手当の受給者で、再就職先の賃金が離職前より低いなど

就業促進定着手当とは?再就職後6ヶ月以上の勤務で申請できる

就業促進定着手当は、再就職手当を受給した方のうち、再就職先で6ヶ月以上勤務し、かつ再就職後の賃金が離職前の賃金より低い場合に支給される手当です。

厚生労働省は就業促進定着手当について次のように説明しています。

再就職手当の支給を受けた人が、引き続きその再就職先に6か月以上雇用され、かつ再就職先で6か月の間に支払われた賃金の1日分の額が雇用保険の給付を受ける離職前の賃金の1日分の額(賃金日額)に比べて低下している場合、就業促進定着手当が支給されます。 ――厚生労働省「就職促進給付」

つまり、「再就職したけれど前職より給料が下がってしまった」という方を経済的にフォローする仕組みです。

転職によって年収が下がるケースは珍しくないため、対象になる方は意外と多いといえます。

申請期限は再就職した日から6ヶ月経過した翌日から2ヶ月以内です。

忘れないよう、再就職手当の振り込みが確認できた段階で、就業促進定着手当の申請時期もカレンダーに記録しておきましょう。

再就職手当と合わせて活用すれば受給総額がアップする

再就職手当と就業促進定着手当をダブルで受給することで、受け取れる金額のトータルを引き上げることができます。

たとえば、再就職手当で20万円を受け取った方が、さらに就業促進定着手当で数万円を追加で受け取れるケースもあります。

就業促進定着手当の支給額は以下の計算式で算出されます。

(離職前の賃金日額 − 再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額)× 再就職後6ヶ月間の賃金の支払い基礎日数

  • 離職前より再就職後の賃金が低い場合にのみ支給される
  • 支給額には上限が設けられている(基本手当日額 × 支給残日数 × 40%または30%)
  • 申請にはハローワークへ再度書類を提出する必要がある
  • 6ヶ月間の出勤簿や給与明細のコピーが必要になることがある

両方の手当を活用すれば、転職による収入ダウンの影響をかなり軽減できます。

「自分は対象になるだろうか」と迷ったら、再就職後6ヶ月が近づいた時点でハローワークに確認するのが一番確実です。

せっかく用意されている制度なので、もらい忘れのないようにしてください。


再就職手当がいつもらえるか不安な方へ|よくある疑問Q&A

ここでは、再就職手当に関して多くの方が疑問に思うポイントをQ&A形式でまとめました。

自分のケースに当てはまるものがあれば、ぜひ参考にしてみてください。

  • パート・アルバイトでも対象になるか
  • 派遣社員やフリーランスの場合はどうか
  • 受け取った後にすぐ退職した場合の取り扱い
  • 確定申告や税金への影響

それぞれ詳しく解説していきます。

Q. パート・アルバイトでも再就職手当の対象になりますか?

結論から言うと、パートやアルバイトでも再就職手当の対象になるケースはあります。

ただし、いくつかの条件をクリアする必要があります。

条件ポイント
1年を超えて勤務することが確実であること短期のアルバイトや契約期間が1年未満の場合は対象外になりやすい
雇用保険の被保険者になること週の所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあることが必要
その他の8つの受給条件をすべて満たすことパートでも正社員でも条件は同じ

よくある誤解として「パートだから対象外」と思い込んでしまう方がいますが、雇用保険に加入でき、1年超の勤務が見込まれるのであれば対象になります。

逆に、週の勤務時間が短く雇用保険に加入できない場合は、雇用形態に関係なく対象外です。

自分の雇用契約書を確認し、不明な点があればハローワークに問い合わせてみてください。

Q. 派遣社員やフリーランスの場合はどうなりますか?

派遣社員の場合も、条件を満たせば再就職手当の対象になります。

ポイントは「1年を超えて勤務することが確実であること」と「雇用保険の被保険者になっていること」の2点です。

派遣契約は3ヶ月や6ヶ月単位が多いため、契約更新の見込みがあるかどうかが判断基準になります。

  • 派遣元(派遣会社)との雇用契約で1年を超える見込みがあれば対象になりうる
  • 登録型派遣で短期の契約のみの場合は対象外になる可能性が高い
  • 判断に迷う場合はハローワークに派遣契約書を持参して相談する

一方、フリーランスや個人事業主として独立する場合も、再就職手当に相当する給付を受けられる可能性があります。

この場合は「再就職手当」ではなく、事業を開始したことに対する就業促進手当の扱いになることがあります。

開業届を出すタイミングや待期期間との兼ね合いなど、細かいルールがあるため、独立を検討中の方は事前にハローワークに相談しておくことをおすすめします。

Q. 再就職手当を受け取った後にすぐ退職した場合どうなりますか?

再就職手当を受け取った後に再就職先を退職したとしても、すでに受け取った手当を返金する必要はありません。

これは再就職手当の大きな特徴のひとつです。

ただし、注意しておきたい点がいくつかあります。

  • 返金義務はないが、短期間で退職した場合に失業手当の再受給ができるかは残日数やタイミングによる
  • 再就職手当の受給後3年以内は、再び再就職手当を受け取ることができない
  • 極端に短期間の在籍だと、次回の転職活動で職歴上の不利になる可能性がある

再就職手当が返金不要であることに安心する方は多いですが、そもそも短期離職にならないよう、再就職先を慎重に選ぶことが最も大切です。

「手当がもらえるから」と飛びつくのではなく、自分のキャリアにプラスになるかどうかを冷静に判断しましょう。

Q. 再就職手当は確定申告や税金に影響しますか?

再就職手当は非課税所得です。

そのため、受け取った金額に対して所得税や住民税がかかることはありませんし、確定申告で申告する必要もありません。

具体的には以下のような扱いになります。

  • 所得税の対象外であるため、源泉徴収されない
  • 住民税の計算にも含まれない
  • 年末調整の際に会社に申告する必要もない
  • 健康保険の扶養判定においても、原則として収入に含まれない

「まとまったお金が入ると税金がかかるのでは」と心配される方もいますが、雇用保険から支給される給付金は原則として非課税と定められています。

ただし、再就職先での給与所得とは別の話なので、給与に関する年末調整や確定申告は通常どおり必要です。

再就職手当そのものについては、何も手続きをしなくて大丈夫だと覚えておいてください。