退職前にやっておくことは?損しないための手続き・保険・お金のやることリスト

退職を決めたものの、「何から始めればいいのか分からない」と悩んでいませんか?

実は退職前にやっておくことを知らないまま会社を辞めると、もらえるはずの給付金を逃したり、社会保険料で損をしたりすることがあります。

この記事では、退職前に必ず済ませておきたい届出・書類準備から、見落としがちな5つのポイント、さらには退職後に活用できる給付金制度まで、初心者にも分かりやすく解説します。

退職後に「あのとき準備しておけば...」と後悔しないために、ぜひ最後までお読みください。

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📋 この記事の目次

退職前にやっておくことの全体像とは?退職日までの流れを把握しよう!

退職は人生における大きな転換点です。

スムーズに退職するためには、まず全体の流れを理解しておくことが大切になります。

一般的に、退職の意思表示から実際の退職日まで、1〜2ヶ月程度の期間が必要です。

この期間中に、届出・書類準備・引き継ぎ・各種手続きを計画的に進めていく必要があります。

退職までのおおまかなスケジュールは以下のとおりです。

時期 やるべきこと
退職2ヶ月〜1ヶ月前 上司への退職意思表示、退職届の提出
退職1ヶ月〜2週間前 業務の引き継ぎ、引き継ぎ資料の作成
退職2週間前〜退職日 取引先への挨拶、社内への挨拶回り
退職日当日 備品の返却、必要書類の受け取り
退職後 健康保険・年金の切り替え、失業保険の申請

多くの会社では就業規則で「退職の1〜2ヶ月前までに申し出ること」と定められています。

法律上は2週間前の申し出で退職できますが、引き継ぎや人員補充の時間を考慮すると、余裕を持ったスケジュールを立てることをおすすめします。

退職前に必要な届出・届け出書類の準備と注意点

退職時に自分で用意して提出する書類は、意外と少ないものです。

ただし、いくつかの届出書類については事前に準備しておく必要があります。

退職時に自分で準備・提出する主な書類は以下のとおりです。

  • 退職届(または退職願)
  • 健康保険証(会社に返却)
  • 社員証・入館証
  • 名刺(自分のもの・取引先からもらったもの)
  • 会社から貸与されたPC・携帯電話・制服など

退職届と退職願の違いを知っておくことも重要です。

退職願は「退職したい」という意思を伝える書類であり、会社が承諾するまで撤回できます。

一方、退職届は「退職する」という意思を通告する書類であり、提出後は原則として撤回できません。

会社によっては指定のフォーマットがある場合もあるため、事前に人事部や総務部に確認しておきましょう。

★ポイント
退職日や退職理由、引き継ぎ内容など、後々トラブルになりそうな事項については、口頭だけでなくメールや書面で記録を残しておくと安心です。

退職時に会社から受け取る書類一覧と用途

退職時には、会社からいくつかの重要な書類を受け取ります。

これらの書類は、転職先への提出や失業保険の申請、年金・健康保険の手続きに必要となるため、必ず受け取っておきましょう。

会社から受け取る主な書類と用途は以下のとおりです。

書類名 用途 発行タイミング
離職票 失業保険の申請に必要 退職後10日〜2週間程度
源泉徴収票 確定申告・転職先での年末調整に必要 退職後1ヶ月以内
健康保険資格喪失証明書 国民健康保険への切り替えに必要 退職日〜数日後
雇用保険被保険者証 転職先での雇用保険加入に必要 退職日当日または後日郵送
年金手帳・基礎年金番号通知書 年金の手続きに必要 会社保管の場合は返却される
退職証明書 転職先から求められた場合に提出 申請すれば発行

特に離職票は、失業保険を受給するために必要な重要書類です。

転職先が決まっている場合でも、万が一に備えて発行を依頼しておくことをおすすめします。

離職票の発行には時間がかかることがあるため、退職前に会社へ発行を依頼しておくとスムーズです。

退職前にやっておくことは何がある?見落としがちな5つの準備

退職の手続きを進める中で、多くの人が見落としがちなポイントがあります。

これらを事前に押さえておくことで、退職後のトラブルを防ぎ、経済的な損失を避けることができます。

ここでは、特に重要な5つの準備について詳しく解説します。

  • 給付金・失業保険の受給条件確認
  • 健康保険・年金の切り替え方法の把握
  • クレジットカードやローン審査
  • 有給休暇の消化計画
  • 転職活動に必要な書類の準備

それぞれ詳しく見ていきましょう。

退職前にやっておくこと1|給付金・失業保険の受給条件を確認する

失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)は、退職後の生活を支える重要な制度です。

しかし、受給するためにはいくつかの条件を満たす必要があります。

退職前に自分が受給資格を持っているか確認しておきましょう。

厚生労働省によると、失業保険を受給するための主な条件は以下のとおりです。

  • 離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あること
  • ハローワークに求職の申し込みをしていること
  • 働く意思と能力があり、求職活動を行っているにもかかわらず就職できない状態であること

雇用保険の被保険者が離職して、働く意思と能力を有し、求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない「失業の状態」にあるときに基本手当が支給されます。

引用元:厚生労働省「基本手当について」

会社都合で退職した場合(特定受給資格者)は、離職日以前1年間に6ヶ月以上の被保険者期間があれば受給資格を得られます。

また、退職理由が「自己都合」か「会社都合」かによって、給付開始時期や給付日数が大きく変わります。

自己都合退職の場合は、7日間の待機期間に加えて、原則1ヶ月の給付制限期間があります。

退職前に自分の雇用保険加入期間を確認し、必要に応じて給与明細で雇用保険料が天引きされているかチェックしておきましょう。

退職前にやっておくこと2|健康保険・年金の切り替え方法を把握する

退職後は、会社の健康保険から別の保険へ切り替える必要があります。

日本は国民皆保険制度のため、無保険状態は許されません。

退職後の健康保険の選択肢は、主に3つあります。

選択肢 特徴 手続き先
国民健康保険 前年の所得に応じて保険料が決まる 市区町村役場
任意継続 退職前の保険を最長2年間継続可能、保険料は全額自己負担 加入していた健康保険組合
家族の扶養に入る 保険料の負担なし、収入制限あり 家族の勤務先

国民健康保険への切り替えは、退職日の翌日から14日以内に手続きが必要です。

任意継続を選ぶ場合は、退職日の翌日から20日以内に申請する必要があります。

年金についても、会社員は厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。

転職先が決まっている場合は、転職先の会社が手続きを行ってくれるため、基礎年金番号かマイナンバーを伝えるだけで済みます。

どの選択肢が有利かは、退職後の収入や家族構成によって異なるため、退職前に各保険料を試算しておくことをおすすめします。

退職前にやっておくこと3|クレジットカードやローンの審査を済ませる

意外と見落としがちなのが、クレジットカードやローンの審査です。

クレジットカードやローンの審査では「安定した収入があること」が重要視されるため、退職後は審査に通りにくくなる可能性があります。

退職前に済ませておきたい審査関連の準備は以下のとおりです。

  • 必要なクレジットカードの新規発行
  • 住宅ローンの申請(マイホーム購入を検討中の場合)
  • 引っ越しの契約(賃貸物件の審査)
  • カードローンの契約(緊急時の備えとして)

クレジットカードの審査では、勤続年数や年収がチェックされます。

転職後は職歴がリセットされるため、「勤続年数が短い」という理由で審査に不利になることがあります。

また、自営業やフリーランスとして独立する場合は、会社員よりも審査が厳しくなる傾向があります。

退職を予定している方は、在職中にクレジットカードを作っておくことをおすすめします。

ただし、カード申し込み後に在籍確認の電話が入る場合があるため、退職直前ではなく余裕を持ったタイミングで申し込みましょう。

退職前にやっておくこと4|有給休暇の残日数と消化計画を立てる

有給休暇は労働者の権利として法律で認められています。

退職時に未消化の有給が残っている場合は、計画的に消化することをおすすめします。

有給休暇の消化に関するポイントは以下のとおりです。

  • 有給休暇の残日数を人事部または勤怠システムで確認する
  • 最終出勤日と退職日を分けて考える(例:最終出勤日後に有給消化期間を設ける)
  • 引き継ぎに支障が出ないよう、消化スケジュールを上司と相談する
  • 有給を買い取ってもらえるか会社に確認する(買い取り義務はない)

有給消化期間中も在籍扱いとなるため、社会保険料は会社と折半のままです。

また、有給消化期間中は転職先との入社日調整も必要になるため、転職活動を並行している場合は注意しましょう。

会社によっては有給の完全消化を認めてもらえないケースもありますが、有給休暇の取得は法律で保障された権利です。

拒否された場合は、労働基準監督署に相談することも選択肢の一つです。

退職前にやっておくこと5|転職活動に必要な書類を準備する

転職活動をスムーズに進めるためには、事前に必要書類を準備しておくことが重要です。

転職先から求められる可能性がある書類や情報を、在職中にまとめておきましょう。

転職活動に必要な主な書類・情報は以下のとおりです。

書類・情報 用途
履歴書・職務経歴書 応募時に提出
源泉徴収票 転職先での年末調整に必要
雇用保険被保険者証 転職先での雇用保険加入に必要
年金手帳・基礎年金番号通知書 転職先での厚生年金加入に必要
資格証明書のコピー スキルの証明に必要
推薦状(必要に応じて) 前職の上司や同僚からもらう

特に職務経歴書は、在職中に作成しておくことをおすすめします。

退職後は仕事の詳細を忘れてしまったり、資料を確認できなくなったりするためです。

また、業務で得た知識やノウハウのうち、個人のスキルアップに関わる資料は整理しておくと良いでしょう。

ただし、顧客リストや営業機密など、会社の機密情報の持ち出しは厳禁です。

退職前に把握しておきたい「よくある失敗」と「やっておけばよかったこと」

退職経験者の多くが「もっと早く知っておけばよかった」と後悔することがあります。

実際、転職サイトの調査によると、退職経験者の約6割が「退職時に何らかの失敗やトラブルを経験した」と回答しています。

よくある失敗パターン 発生しやすい時期 影響度
口約束によるトラブル 退職交渉時 ★★★
社会保険料の損失 退職日決定時 ★★☆
引き継ぎ不足 退職直前〜退職後 ★★☆

ここでは、退職時によくある失敗事例を3つのケースに分けて紹介します。同じ失敗を繰り返さないために、ぜひ参考にしてください。

口約束だけで進めてトラブルになるケース

退職に関する重要な取り決めを口約束だけで済ませてしまい、後からトラブルになるケースは少なくありません。

特に注意が必要なのは以下のような内容です。

  • 退職日の確定
  • 有給休暇の消化について
  • 退職金の支給額と支給日
  • 引き継ぎの範囲と期間
  • 最終給与の支払い日

口約束では「言った・言わない」の水掛け論になりやすく、最悪の場合は法的トラブルに発展することもあります。

重要な内容については、必ずメールや書面で記録を残しておきましょう。

退職願や退職届を提出する際も、コピーを取っておくことをおすすめします。

万が一トラブルが発生した場合は、労働基準監督署や弁護士に相談することも検討してください。

退職日を月末以外にして社会保険料で損するケース

退職日を月末にするか、月末以外にするかで、社会保険料の負担額が変わることをご存知でしょうか。

社会保険の資格喪失日は「退職日の翌日」となるため、退職日によって保険料の計算が変わります。

具体的な違いは以下のとおりです。

退職日 資格喪失日 退職月の社会保険料
7月31日(月末) 8月1日 発生する(会社と折半)
7月30日(月末1日前) 7月31日 発生しない

一見すると、月末1日前に退職した方が社会保険料を1ヶ月分節約できるように見えます。

しかし、退職後に国民健康保険や国民年金に加入する場合は、その月の保険料を全額自己負担で支払う必要があります。

会社の社会保険は会社と従業員で折半ですが、国民健康保険や国民年金は全額自己負担です。

そのため、退職後すぐに転職しない場合は、月末退職の方が結果的にお得になるケースが多いです。

ただし、退職後に配偶者の扶養に入る場合は、月末1日前の退職が有利になることもあります。

退職日を決める前に、自分の状況に合わせてシミュレーションしておくことをおすすめします。

引き継ぎ不足で退職後も連絡が来るケース

引き継ぎが不十分なまま退職すると、退職後も前職から問い合わせの連絡が来ることがあります。

せっかく退職したのに、心身ともにリフレッシュできないという事態は避けたいものです。

引き継ぎ不足を防ぐためのポイントは以下のとおりです。

  • 業務マニュアルを作成する(誰が見ても分かるように)
  • 担当案件の進捗状況を一覧表にまとめる
  • 取引先の連絡先と担当者情報をリスト化する
  • 過去のトラブル事例と対応方法を記録しておく
  • 後任者がいる場合は直接引き継ぎを行う

引き継ぎ資料は、退職日の3日前までには完成させておくのが理想的です。

後任者がまだ決まっていない場合でも、誰が担当しても業務を理解できる資料を作成しておきましょう。

丁寧な引き継ぎは、円満退職のためだけでなく、将来的な人脈維持にもつながります。

退職後に活用したい給付金・支援制度

退職後の生活を支えるために、国や自治体ではさまざまな給付金・支援制度を用意しています。

実は退職後にもらえる可能性がある給付金は10種類以上あり、知らないと数十万円〜数百万円の損をすることもあります。

退職前に制度の内容と申請方法を把握し、受け取れるお金を最大化しましょう。

まず、退職後に受け取れる主な給付金・支援制度の全体像を確認しておきましょう。

給付金・制度名 対象者 支給額の目安 申請先
失業保険(基本手当) 雇用保険加入者 離職前賃金の50〜80% ハローワーク
再就職手当 失業保険受給者で早期再就職した人 基本手当の60〜70% ハローワーク
求職者支援制度 雇用保険を受給できない人 月額10万円+交通費 ハローワーク
傷病手当金 病気やケガで働けない人 給与の約3分の2 健康保険組合
教育訓練給付金 スキルアップしたい人 受講費用の20〜70% ハローワーク

ここからは、特に利用者の多い3つの制度について詳しく解説します。

失業保険(基本手当)の概要と申請の流れ

失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)は、失業中の生活を支えながら再就職活動を行うための制度です。

退職後にハローワークで手続きを行うことで受給できます。

失業保険の基本情報は以下のとおりです。

項目 内容
受給期間 離職日の翌日から原則1年間
給付日数 90日〜330日(年齢・被保険者期間・退職理由により異なる)
給付額 離職前賃金の約50〜80%
待機期間 7日間(すべての人に共通)
給付制限 自己都合退職の場合、原則1ヶ月

基本手当とは、求職者の失業中の生活の安定を図りつつ、求職活動を容易にすることを目的とし、被保険者であった方が離職した場合において、働く意思と能力を有し、求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない場合に支給されるものです。

引用元:厚生労働省「基本手当について」

失業保険の申請手順は以下のとおりです。

  1. 離職票を会社から受け取る
  2. 住所地を管轄するハローワークで求職の申し込みを行う
  3. 雇用保険受給者説明会に参加する
  4. 4週間に1回、ハローワークで失業認定を受ける
  5. 認定後、約5営業日で口座に振り込まれる

失業保険を受給するためには、認定期間中に原則2回以上の求職活動が必要です。

ハローワークでの職業相談や、企業への応募などが求職活動として認められます。

早期再就職で受け取れる再就職手当

失業保険の受給中に早期に再就職が決まった場合、「再就職手当」を受け取ることができます。

再就職手当は、早期の再就職を促進するための「お祝い金」のような制度です。

再就職手当の計算方法は以下のとおりです。

再就職手当 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率(60%または70%)

給付率は、失業保険の支給残日数によって変わります。

支給残日数 給付率
所定給付日数の3分の2以上 70%
所定給付日数の3分の1以上 60%

例えば、基本手当日額5,000円、所定給付日数90日の人が、支給残日数90日で再就職した場合の計算は以下のとおりです。

5,000円 × 90日 × 70% = 315,000円

再就職手当を受給するための主な条件は以下のとおりです。

  • 失業保険の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
  • 1年を超えて勤務することが確実であること
  • 再就職先で雇用保険の被保険者となること
  • 過去3年以内に再就職手当を受給していないこと
  • 受給資格決定前から採用が内定していないこと

再就職手当の申請は、就職日の翌日から1ヶ月以内にハローワークで行う必要があります。

雇用保険に未加入だった場合の求職者支援制度

雇用保険に加入していなかった、または受給資格がない場合でも、「求職者支援制度」を利用できる可能性があります。

求職者支援制度は、無料の職業訓練を受けながら月10万円の給付金を受け取れる制度です。

求職者支援制度は、再就職、転職、スキルアップを目指す方が月10万円の生活支援の給付金を受給しながら、無料の職業訓練を受講する制度です。

引用元:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」

求職者支援制度の概要は以下のとおりです。

項目 内容
対象者 雇用保険を受給できない求職者
職業訓練 無料で受講可能(テキスト代は自己負担)
給付金額 月額10万円(職業訓練受講手当)+通所手当
訓練内容 Webデザイン、プログラミング、介護、医療事務など

職業訓練受講給付金を受けるための主な条件は以下のとおりです。

  • 本人収入が月8万円以下
  • 世帯全体の収入が月30万円以下
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • 訓練実施日に全て出席する(やむを得ない理由がある場合は8割以上)

求職者支援制度は、フリーターや主婦、雇用保険の受給が終了した人なども対象となります。

スキルアップしながら生活費の支援を受けられるため、退職後のキャリアチェンジを考えている方にもおすすめの制度です。

申請や相談は、住所地を管轄するハローワークで受け付けています。

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